2007年12月22日

8)野宿.......(涙)

お父さんとお母さんがいなくなってなり、
みんな気持ちは寂しいけれど、それなりに生活してた。
おじいちゃんは休みの日に釣りに誘ってくれる。
でも一番多いのは、畑に一緒に行ったかな。
おじいちゃんの畑は、僕が住み始めた清水から
片道1時間半くらいかかる富士宮に有ったんだ。
そう.....僕が産まれた富士宮市北山...
近くには有名な白糸の滝があるいいところなんだよ。
天気がいい日は富士山が良く見えるんだ。
おじいちゃんは畑仕事に忙しく遊んでくれないんだ。
そんな時でも僕はおじいちゃんのそばにいたんだ。
だって....一息つくとおじいちゃんが僕を車に乗せて
僕が走り回れる林に連れてってくれるんだ。
おじいちゃんが僕を車から降ろしてくれて、ゆっくり車で走る...
僕はおじいちゃんの車をめがけて走るんだ。
普段走ることが無いから、すっごく楽しんだ。
でもある日だけは....違ったんだ。
いつもみたいに車を追っていたはずなのに
僕がおじいちゃんを見失っちゃったんだ。
すごくキョロキョロしたよ。
もちろん匂いも嗅いだよ。
おじいちゃんって呼んだよ。...何回も...
悲しくて不安で僕は一杯だった....。
はやくおじいちゃん。僕を探して見つけてよ....・
僕はすっごく疲れちゃったんだ。
気がついたら、林の中は真っ暗。怖いよ...。今夜は何処で寝よう...
その前にお腹がペコペコなのにどうしよう。
怖いよ!!!寂しいよ!!!!
気がついたら僕は林の中で眠ってて朝になっていた。
生まれ育った北山に行けば僕を産んでくれたお母さんがいる。
北山を目指そうか....清水を目指そうか....
僕はすごく悩んだよ。
そして決めたんだ。清水に帰るって。
でも車で1時間半もかかる道....帰れるかな。
車から見た景色を頼りに僕は歩き出した....。
さぁ....行くぞ。

その頃、清水のおじいちゃんとおばあちゃんは僕のことを
かなり心配してくれてたみたい。
特におばあちゃんは海外に住むお母さん達にまで言っちゃったんだ。
お母さんは海外から僕を探しに日本に帰るとまで言ってくれてたんだ。
おばあちゃんはおじいちゃんに叱られてたね。
お母さん達にまで心配かけたくなかったんだね。

数日後...おじいちゃんは僕を降ろして走らせてくれた林まで
来てくれたんだ。
その頃僕は清水をめざし歩き始めてたから、いなかったんだ。
でもどうやら僕の勘は合ってたみたいなんだ。
清水に帰る道をおじいちゃんが車でゆっくり走ってくれてたんだ。
僕も聞き覚えのあるエンジン音に反応したよ。
恐る恐る振り向いてみたんだ。
そしたらお爺ちゃんが車から降りてきて”kuro”って呼んでくれたんだ。
間違いない!!!聞き覚えのあるお爺ちゃんの声だよ。
僕は何日か野宿をして、お腹もペコペコで疲れ切っていたんだけど
嬉しくてお爺ちゃんに駆け寄ったよ。体から力が抜けてしまったよ。
家に着くとおばあちゃんがすぐに来てくれた。
心配してくれてたんだね。ごめんね。おばあちゃん...。
僕は野宿の間、何も食べてなかったから痩せちゃったんだ。
おばあちゃんが笑いながら、”痩せて汚い犬みたいね”って言うんだ。
そういいながらも、食べさせてくれたご飯は最高に美味しかったよ。
おばあちゃんが海外のお母さんに報告してる声を聞きながら
僕は安心して眠ってしまった。やっぱり家が一番。
....お爺ちゃんが僕を畑に2度と連れて行かないって決めたみたいだけど
もうよそ見しないから...お爺ちゃん。また畑に行こうね。



Posted by daisy at 07:26│Comments(0)
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
8)野宿.......(涙)
    コメント(0)